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確定拠出年金、利用者の「今」を知る
~加入者数・運用状況・課題とチャンス~
2025年7月30日
少子高齢化・年金不安の時代において、「自分で備える老後資金」がますます重要になっています。その中心にあるのが確定拠出年金(DC)制度です。
企業型DCもiDeCoも加入者が年々増え、多くの方が「自分のお金を自分で運用する」フェーズに入っています。今回は、2025年時点での最新データをもとに、実際の加入者がどう行動し、どう資産形成をしているかを見ていきましょう。
📈 加入者数は堅調に増加中
まず注目すべきは加入者数の伸びです。
・企業型DC:830万人(2024年3月末時点)
→ 2014年比で約1.8倍。とはいえ、厚生年金加入者のうちまだ2割弱にとどまります。
・iDeCo:366.7万人(2025年5月)
→ 特に20〜40代の会社員・公務員の加入が目立ち、制度の浸透が進んでいます。
加入促進策や制度の拡充が功を奏しつつある一方、まだ「使っていない人」が多数派という点も重要です。
💰 掛金の実情:意外と拠出額は控えめ?
では、加入者たちは実際どのくらい拠出しているのでしょうか?
・企業型DC
企業の拠出:平均1.5万円程度
従業員の拠出(マッチング):平均1万円程度
・iDeCo
平均:1.6万円/月
(自営業者は2.7万円、公務員や主婦層は1.4〜1.5万円)
上限額に比べて、実際の拠出額はまだまだ少ないのが実態です。月数千円でもメリットは大きいとはいえ、税制優遇を最大限に活かすには「拠出の最適化」がカギになります。
📊 商品選択のトレンド:投資信託へシフト
運用商品にも変化が出ています。
・**投資信託(特に外国株式・インデックス型)**へのシフトが加速。
・2024年時点でのDC資産のうち、約60%が投資信託による運用。
・元本確保型(定期預金・保険など)の比率は年々減少。
特に人気なのは:
・eMAXIS Slim全世界株式
・DC外国株式インデックスファンド
・8資産均等型バランスファンド
リスクを理解しつつ「育てる」運用に取り組む姿勢が、若い世代を中心に浸透しています。
📉 利回りは? 実際の成果は?
実は…**確定拠出年金の平均運用利回りは6〜7%**というデータもあります。これは多くの預金商品と比べても非常に優秀です。
とはいえ、全員がうまくいっているわけではありません。
・マッチング拠出があっても「使っていない」人が3割以上
・投資経験が乏しく、預金だけにしている人もまだ多い
・商品ラインアップが多すぎて「選べない」ケースも…
適切なアドバイスや教育機会が整っていないことも、課題として残されています。
🧱 制度のメリットを最大限活かすには?
今後、さらに重要になるのは以下のような行動です。
・拠出額の見直し:所得控除枠をフル活用できているか?
・商品選びの再考:インデックス・分散投資を軸に
・教育・相談の場の活用:金融リテラシーを高めるチャンス
2025年には拠出限度額の引き上げも予定されており、**今こそ「攻めの年金戦略」**を考える好機です。
✅ まとめ
確定拠出年金は、「ただ加入しているだけ」ではもったいない制度です。税制優遇+長期運用という二大メリットを活かすためには、自分で考え、動くことが必要不可欠。
データを見ても、多くの人が今、まさに一歩踏み出し始めています。
あなたも「未来の自分」に向けて、資産形成を再設計してみませんか?