Blogブログ

選択制DCの加入率を上げるには?
〜“制度はあるのに、活用されない”を解消するヒント〜

2025年5月20日

選択制確定拠出年金(以下、選択制DC)は、企業にも従業員にも大きなメリットがある制度です。
しかし実際には、「導入したのに加入者が少ない」というケースが多くあります。
なぜ選ばれないのか?どうすれば“選ばれる制度”になるのか?
今回は、加入率を高めるための実践的なヒントをご紹介します。

✅ よくある課題:「難しそう」「よく分からない」

多くの従業員が選択制DCに対して感じているのは、「仕組みが難しそう」「投資は怖い」「やらなくても困らない」といった漠然とした不安です。
つまり、知識不足と無関心が最大の障壁です。

🔑 カギは「不安の解消」「納得感」そして「ナッジ(後押し)」

加入率を上げるには、以下の4つのアプローチが効果的です。
① “制度の目的”を伝える
「なぜ会社がこの制度を導入したのか」を経営者自身の言葉で語ることが信頼感につながります。
例:「長く安心して働ける環境を整えたかった」「老後資金を今から準備するきっかけを作りたい」など。
② 「投資=ギャンブル」ではないと伝える
リスクを抑えた選択肢もあることを伝え、“増やす”ではなく“守る”という視点を共有しましょう。
③ ワークショップ型の投資教育
説明会ではなく「老後資金を自分で計算する」などの体感型学習が、“自分ごと”化を促します。
④ 加入を「デフォルト」にする(ナッジの活用)
最も効果が高いのが、この“ナッジ”です。
最初から「加入」が選択肢の初期設定(デフォルト)になっていれば、人は変更せずそのまま受け入れやすくなります。
もちろん、任意で「加入しない」も選べますが、初期設定が“加入”であることが、無意識の選択に強く影響を与えるのです。
✅ ポイント:
「意思確認書」で“加入しない”場合にチェックを入れてもらう形式が有効です。

💡 実践アイデアまとめ

加入がデフォルト(ナッジ):最初から加入状態にしておき、外すには手続きが必要。
繰り返しリマインド:説明は1回では足りません。最低3回は伝えましょう。
仲間の声を可視化:既に加入している社員のインタビューや感想を社内に掲示。
給与明細との同封案内:金額と制度の関連性を意識してもらいやすくなります。

🌱 加入率UPは“金融リテラシー向上”にもつながる

選択制DCは、老後資金の準備だけでなく、従業員が「お金との付き合い方」を学ぶチャンスでもあります。
金融教育の入り口としても、非常に価値のある仕組みです。

🔚 まとめ

選択制DCの加入率を高めるためには、
「分かりやすく伝える」「安心感を持たせる」「自分ごと化する」、そして
「“加入が当たり前”という空気をつくる」ことがポイントです。
制度を“置いておく”だけではなく、“自然に入りたくなる仕組み”にすることで、
会社と社員双方にとって価値ある制度として活かされていきます。

-->