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退職金で後悔しないために!DC資産の受け取り方ガイド
2025年3月5日
企業型DC(確定拠出年金)を活用してコツコツと資産を積み上げてきた方にとって、退職後の「受け取り方」は非常に重要です。受け取り方次第で税金の負担が大きく変わり、場合によっては数百万円もの差がつくことも。今回は、DC資産の賢い受け取り方について解説します。
1. DC資産の受け取り方法は3種類
企業型DCの受け取り方法には、主に以下の3つがあります。
① 一括受取(退職金として受け取る)
• 一度に全額を受け取る方法。
• メリット:まとまった資金が手に入り、住宅ローンの完済や大きな支出に対応しやすい。
• デメリット:退職所得控除を超える部分は課税対象となり、税金負担が増える可能性。
② 年金受取(分割して受け取る)
• 5年~20年の間で分割して受け取る方法。
• メリット:一度に課税されないため、税負担が抑えられる。
• デメリット:分割期間が長いと、受給中に制度変更がある可能性も。
③ 一括+年金の併用
• 一部を一括受取し、残りを年金として受け取る方法。
• メリット:退職所得控除を活かしつつ、分割受取のメリットも享受可能。
• デメリット:受取額の調整が必要で、管理がやや複雑。
2. 受け取り時の税金の仕組みを知ろう
DC資産を受け取る際には、税金の計算方法が異なります。
① 一括受取の場合:退職所得控除が適用
退職所得の計算式:
(DC受取額 - 退職所得控除) × 1/2 = 課税所得
【退職所得控除の計算式】
• 20年以下の勤続年数:40万円 × 勤続年数(最低80万円)
• 20年以上の勤続年数:800万円 + 70万円 ×(勤続年数 – 20年)
② 年金受取の場合:公的年金等控除が適用
公的年金控除の計算式(65歳以上の場合):
• 年金収入330万円以下:非課税または低税率
• 330万円超~410万円以下:控除額が減少
• 410万円超:所得税・住民税が発生
3. どの受け取り方法を選ぶべき?ケース別シミュレーション
ケース① 退職後すぐに住宅ローンを完済したい場合
→ 一括受取がおすすめ
• 退職所得控除の範囲内であれば非課税。
• ローン利息の支払いを減らせる。
ケース② 税金をできるだけ抑えながら受け取りたい場合
→ 年金受取がおすすめ
• 退職所得控除の範囲を超える場合、分割受取の方が有利。
• 毎年の所得が少ない人は、公的年金等控除を活用できる。
ケース③ ある程度まとまったお金も欲しいが、税負担も抑えたい場合
→ 一括+年金受取の併用がおすすめ
• 退職所得控除の範囲内で一部を受け取り、残りを分割。
• 税負担を分散しながら、必要な資金を確保できる。
4. 退職金で後悔しないためのチェックリスト
✅ 受け取り方法を比較し、最適な方法を選んだか?
✅ 退職所得控除・公的年金控除を最大限活用できるか?
✅ 一括受取する場合、税金が発生するかシミュレーションしたか?
✅ 年金受取する場合、毎年の生活資金計画を立てたか?
✅ iDeCo(個人型DC)や他の資産と合わせた全体の資金計画を考慮したか?
結論:賢く受け取って、老後資産を最大化しよう!
企業型DCの資産は、受け取り方次第で大きな差が生まれます。
• 退職後のライフプランに合わせた方法を選ぶ
• 税制優遇を最大限に活用する
• 事前にしっかりシミュレーションを行う
これらのポイントを押さえて、後悔のない老後資金計画を立てましょう!